2025年2月16日日曜日

報恩の日

 こんにちは。宗教科の宮﨑です。

14日は仏様のお話をいただく報恩の集いの日でした。


法話では、仏教由来のたとえである「月を指せば指を認(みと)む」という言葉についてお話しました。


バスガイドが、バスの窓を指して「右手をご覧ください。一番高いのが中指です」と冗談をいうことがあります。



「月を指せば指を認む」は、すぐ目に入るものにばかりとらわれ、本質を理解しない人間の本質を指摘しています。


私たちは、つい目に見える結果だけで人を判断してしまいがちです。


例えば、マラソン大会で軽々とゴールする人を見て「あの人は足が速い」と一言。そして、その理由を「あの人は生まれつき足が速いんだ」と、まるで才能だけで説明がつくかのように納得してしまうことがあります。



同じように、「あの人は勉強がとてもできる」とうらやむ時、心の中で「生まれつき頭がいいんだ」と言い訳して、自分を納得させようとしてしまうことがあります。



しかし、足が速い人も、勉強ができる人も、私が見えないところでコツコツと努力を積み重ねているのかもしれません。もしかしたら、人知れず苦しい練習を乗り越え、地道な努力を続けているのかもしれません。相手が陰ながら頑張っていること、その過程は、私たちにはなかなか見えないものなのです。



ただ、スポーツでいい記録を出した、テストでいい点をとった。その成果は自分だけの力で成し遂げたものではありません。



「陰ながら頑張っている」私たちの周りには、必ず「陰ながら支えてくれている」人がいます。家族、友人、先生。 目に見えないところで、私たちを応援し、助けてくれている存在。私たちはそれを「お陰様」と呼びます。



振り返ってみると、色んな人が私を支えてくれていることに気づきます。一人で生きているのではなく、たくさんの人との繋がりの中で、今の自分がある。そのことに気づけた人は、月を指差して指を見るのではなく、しっかりと月を見ることのできる人です。



自分の成長を支えてくれている全ての人への感謝の気持ちを向けられる人になってもらいたいと思います。